海外インターン、10数回を超える台湾旅行、現地ノマドワーカーとして、台湾に2年近く滞在してきました。
自力で渡航から、家探し、職探しをしていましたので、それなりに知識があります。
台湾・台北移住の方法と準備リストを全公開
今後も、日本から台湾への移住希望者が増えると思い、移住方法と準備リストを完全マニュアルとして公開します。
台湾渡航前に「よくある質問」にも答えていますので、最後までチェックしてみてください。
なお、本記事タイトルに「台北」と記載しましたが、台中・台南・高雄などどの都市への移住にも対応しています。
本記事のポイント
・台湾に移住する前に知っておくべきこと
・台湾への移住方法一覧
・渡航前の準備リスト
・台湾移住に「よくある質問」
この記事のRecord
台湾・台北への移住方法と準備リスト【完全マニュアル】
台湾・台北への移住方法と準備リストをまとめていきます。
体系的に学べるように、台湾の基礎情報→移住方法→準備リスト→よくある質問の順番に解説します。
本記事のステップ
①:台湾移住の基礎情報
②:台湾への移住方法
③:台湾移住前の準備リスト
④:よくある質問
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台湾移住で知っておきたい基礎情報
台湾に行ったことがない方もいると思いますので、簡単に台湾の基礎情報についてまとめます。
人口 | 2,400万人 |
面積 | 36,000平方km(だいたい九州と同じ) |
言語 | 中国語、英語 |
都市 | 台北(首都)、高雄(第二の都市)、台南、台中、花蓮、台東など |
台北は人口密度が高い
地図で見れば分かるとおり、日本をさらにコンパクトにした島です。
人口は2,400万人ですが、10%の260万人が台北に住む典型的な一極集中で、「家賃」が高騰し続けています。
住居探しの項目でも解説しますが、個人的には「台北市」に住まず、隣接都市に住むのが便利です。
夏は暑い、冬は日本の秋
沖縄より南に位置しているため、夏は非常に暑いです。
4月~12月にかけて20~30℃を超える日が続き、半袖でも生活できます。
冬は多少寒くなるので、日本と同様に防寒具があると快適に過ごせます。
生活費は日本の60~70%
家賃はそれなりに高いですが、全体的な生活費に関しては「安い」です。
食費はローカル店を利用すれば、1日1,000以内に収まります。
また、果物や野菜がとくに安く、自炊をする場合、日本の生活費の60~70%に抑えられると思います。
ただし、日系のレストランは、日本よりも価格が高いため、毎日利用すると出費が高くつきます。
移動はレンタルサイクル
台北市内の移動は、基本的に「地下鉄」、「バス」、「レンタルサイクル」のいずれかです。
地下鉄は端から端まで移動しても400円ほどで十分安いのですが、レンタルサイクルを利用するとさらに安くできます。
30分以内に停留場所に返却すれば、「5元(約20円)」で済むため、毎日利用しても1ヶ月1,000~2,000円ほどに収まります。
台湾・台北は住みやすい
上記をまとめると、台湾・台北は、かなり住みやすいと思います。
日本食もいたるところにあるので、台湾料理に飽きても困りません。
もちろん、良い面だけでなく、日本とは異なる面もありますので、総合的な環境を踏まえて検討してみてください。
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台湾に移住する3つの方法(ビザ関連)
台湾に移住する方法は、以下の3つです。
就労ビザ、観光ビザ、配偶者ビザを取得し、台湾に入国・滞在できます。
また、上記の3つ以外のビザでも、合法的に滞在する方法があります。
①:仕事で移住する(現地就職・駐在)
②:観光ビザで移住する
③:結婚して移住する
④:その他
①:仕事で移住する(現地就職・駐在)
台湾移住で選択肢になりやすいのが、仕事での移住です。
基本的には、以下の2種類です。
現地就職→現地の台湾企業or日本企業の台湾法人に直接就職
駐在→日本本社から台湾法人への異動
台湾での現地就職の場合、台湾企業や、現地に法人を置く日本企業への就職となります。
現地水準での採用となるため、給与が日本よりも落ちる可能性があります。
一方で、駐在は、日本本社から台湾法人へに異動です。
高水準の待遇を受けられますが、そもそも選ばれるのが難しく、「任期」が設けられています。
現地就職→就職しやすいが、給与が満足できない可能性あり
駐在→台湾法人に異動できるチャンスが少ない、また任期があり永続的ではない
また、台湾企業に就職するという選択もありますが、「中国語ができない」、「台湾人と働いたことがない」などの場合に、いきなり台湾企業に就職するのはおすすめしません。
まずは、現地日本企業に就職し、台湾の生活や中国語にも慣れた段階で、台湾企業への転職も考えてみてください。
なお、台湾では「外国人最低給与」というものが定められており、2021年現在約5万元(20万円ほどです)。
②:観光ビザで移住する
次に、観光ビザでの移住です。
日本人は、台湾にノービザ・最大90日間の滞在が可能となっています。
つまり、仕事でも観光でも、90日間は台湾に無条件で滞在できるということです。
観光ビザの場合「ビザラン」
ここで、「90日後はどうすればいいの?」と思った方もいるはずです。
前述の通り、ノービザで90日間滞在できますが、90日目に台湾から出国しなければなりません。
そこで、「ビザラン」を活用してみましょう。ビザランとは、ビザが切れる前に、他国に入国し、再度、希望する国に入国することです。
たとえば、「台湾→タイ→台湾→タイ→台湾」といった感じに入国・出国を繰り返し、半永続的に住むことができます。
現状、台湾では、ビザランの制限を設けておらず、上記の入国・出国によって、再度90日間の滞在が許可されます。
ただし、このビザランは急にルールが変わることもあるので、自己責任でお願いします。
※ちなみに、マレーシアでは、継続的なビザランは就業していると疑われることもあり、入国禁止になる場合もあるそうです。
③:結婚して移住する
あまり現実的ではありませんが、台湾人と結婚して移住するといった形も可能です。
この場合、配偶者ビザで台湾への移住を達成できます。
可能性として低いのと、結婚していれば当然このビザを使うため、本記事では割愛します。
④:その他
最後に、その他の方法で台湾に移住する方法です。
その他①:ワーキングホリデービザでの入国
その他②:留学ビザ
その他③:投資ビザ・起業ビザ
その他①:ワーキングホリデービザでの入国
その他①の「ワーキングホリデービザ」は、台湾現地で仕事をしながら、滞在が許可されるビザです。
わたしも、台湾で海外インターンをした際に、ワーキングホリデービザを利用しました。
ワーキングホリデービザの場合、「最大360日間滞在」できるのがなんと言っても魅力です。
台湾でのインターンに関してはこちらの記事もどうぞ
≫台湾での海外インターンでかかった費用はいくら?
ただし、ワーキングホリデービザは、「18歳以上、満30歳以下(31歳は不可)」という条件があります。
たとえば、35歳の方が、台湾でワーキングホリデービザを取得したいとなっても不可です。
その他②:留学・停留ビザ
台湾の教育機関に留学する場合、留学ビザや停留ビザが発行できます。
留学ビザは、主に大学への留学、停留ビザは「語学学校」への留学です。
後者に関しては、語学学校の受講期間が90日間を超える場合、停留ビザの取得が可能となります。
つまり、語学学校に通っていれば、その期間は停留ビザで台湾に滞在できるということです。
その他③:投資ビザ・起業ビザ
最後は、一番難易度が高い、投資ビザと起業ビザです。
まず、投資ビザは、台湾にて一定額の投資を行っている者に対して、発行されるビザです。
なお、金額の目安として、20万USドル(2,000万円以上)が基準とされています。お金があればすぐ出せそうですが、現実的には難しいですね。
次に、起業ビザは、台湾で法人企業を作る場合に、発行されるビザです。
「起業すれば台湾に移住できるの?楽勝じゃん」と思われがちですが、以下の条件のうち「1つ」を満たさないとビザが延長できません。
1.最近1~3年間に、営業収入が平均300元(約1,200万円)あること
2.最近1~3年間の営業費用が平均100万元以上(約400万円以上)
3.台湾の正規雇用社員が3名以上
4.その他台湾国内の経済発展に貢献したと認められた場合
本項目でご紹介したビザをまとめておきます。
無難な選択としては、「就労ビザ」か「観光ビザ」です。事業に自身がある方は、台湾で起業するのもありだと思います。
特徴 | おすすめ度 | |
就労ビザ | 台湾企業・台湾法人の日本企業に入社すればもらえる | |
観光ビザ | 日本のパスポートであれば最大90日間滞在可 | |
配偶者ビザ | 台湾人と結婚する必要あり | |
停留ビザ | 台湾の語学学校で、長期受講の場合もらえるビザ | |
留学ビザ | 台湾の大学に入学する | |
投資ビザ | 投資家として台湾に20万ドルの投資 | |
起業ビザ | 台湾で起業し、条件を満たす必要あり |
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台湾・台北に移住する3つの準備リスト
3つ目のステップは、台湾へ移住する際の準備リストです。
以下の3つにまとめました。
①:海外転出届を提出する
②:移住に際する住居探し
③:移住形態による納税方法をチェック
①:海外転出届を提出する
まず、役所への「海外転出届」の提出です。
ひとことで言うと、日本の住民税を抜き、日本に住んでいない状況にする作業です。
海外転出届を提出すると、「住民税」、「社会保険料」、「年金」の支払が免除されます。
海外ノマドワーカーの方も、海外転出届を提出し、節税している方も多いですね。(※年金は任意となりますが、払っておきましょう)
デメリットに注意
ただし、海外転出届を提出すると、日本国内で医療を受ける際に、10割負担となってしまいます。
仕事で台湾に移住する場合であれば台湾の医療機関を利用できますが、観光で台湾に移住し、たまに日本に戻って病院に行くと法外な医療費を請求されます。
そのため、日本で医療を受ける際には、必ず帰国届を出し、住民票を復活させる手続きが必要です。
海外転出届けを出すメリット→「住民税」、「社会保険料」、「年金」の支払が免除されます。
海外転出届けを出すデメリット→日本で医療を受ける際に、住民票を戻す必要がある(さもなければ10割負担)
自治体によって、条件が異なるため、自己責任で気をつけてください。
なお、わたしの場合は、「日本に完全帰国」という理由で、住民票の復活をさせています。
②:台湾での住居探し
台湾に移住する際の住居探しは、以下の3つの方法があります。
①:日系のエージェントを使う
②:アプリ(591)を使う
③:Webで探す
おすすめは、②の591という部屋探しアプリです。
台湾全土の賃貸・物件情報が掲載されており、オーナーと直接連絡を取れます。
エージェントはおすすめしません
①の日系のエージェントは、止めておくのが無難です。
家賃が高い場所しかありませんし、そもそも手数料が高すぎるためです。
駐在員なら活用価値はありますが、現地採用やノマドワーカーとして移住する方は、591のアプリ使いましょう。
また、③のWebについても、中国語ができないと、なかなかヒットしません。
賃貸探し手伝います
591は賃貸情報が掲載されているものの、オール中国語なので、解読できない方もいると思います。
そこで、実際に591で賃貸契約を結んだことのあるわたしが、賃貸探しのお手伝いをします。
以下を記載の上、Twitter(https://twitter.com/tianzhong1902)までお知らせください。
①:エリア
②:希望家賃
③:特記事項(最寄り駅からの徒歩時間、部屋の階、設備など)
また、台湾での家探しについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
-
台湾・台北で賃貸を探す方法3選
語学留学や転勤、移住などで台湾に引っ越す方も多いのではないでしょうか。台湾の家の借り方は、日本とは異なり、簡単い手続きができます。家の探し方から、家賃の支払い方法まで全てご紹介します。
続きを見る
③:移住形態による納税方法をチェック
移住形態によって、「台湾に納税」、「日本に納税」のどちらかに分けられます。
台湾に納税する必要が場合
台湾に納税する場合は、台湾現地で得た収入があるときです。
台湾の現地企業、台湾法人の日本企業などで仕事をした際に、台湾に納税をします。
日本と同じように会社が納税してくれるので、経理に従うだけです。
日本に納税する必要がある場合
日本に納税するパターンは、フリーランスで日本での所得がある方です。
たとえば、クラウドソーシングサイトで得た収入は、「日本で納税する」必要があります。
ただし、日本で得た収入は、台湾で納税する必要はありません。
あくまでも、「どの国で得た収入」かがポイントです。
台湾で得た収入(台湾現地企業、台湾法人で現地採用、台湾で起業)→台湾で納税
日本で得た収入(フリーランス、日本に住所がる日本企業で働いている)→日本で納税
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台湾・台北に移住に関する「よくある質問」
本記事の最後に、台湾・台北に移住に関する「よくある質問」に答えていきます。
よくある質問①:生活費はどれくらい?
よくある質問②:台湾の生活で気をつけることとは?
よくある質問③:中国語できないけど大丈夫?
よくある質問④:台湾での起業は難しい?
よくある質問⑤:台湾でAmazonは使える?
よくある質問①:生活費はどれくらい?
まずは、台湾の生活費に関する質問です。
台北・台中・高雄などエリアによって家賃が異なるため、一概にいくらとは言えません。
台北を例にすると、以下の通りです。
家賃 | 5~7万円 |
食費 | 3~5万円 |
交通費 | 3,000円 |
通信費 | 月1,000円 |
台北市に住まない選択
家賃をどれだけ抑えるかが、生活費のポイントです。
そこで、台北ではなく、近郊都市の「新北市」に住むことをおすすめします。
台北から離れますが、地下鉄通っているので、そこまで不便に感じることもありません。
新北市だと、家賃も1~2万ほど安くなるため、「台北に住まない」ことを選択してみましょう。
工夫すれば月7万円も可能
過去に台湾に住んでいた際に、月最低7万円で過ごしていました。
家賃を抑えることで、金銭的な不安も取り除けます。
-
台北市で月7万円で生活する4つの方法
日本の生活に疲れて、台湾で過ごしてみたい方も多いのではないでしょうか。台湾と言えば、物価が安いイメージがありますが、近年は高騰しています。ただし、工夫をすれば、台北市でも月7万円で過ごすことができます。
続きを見る
よくある質問②:台湾の生活で気をつけることとは?
2つ目の質問は、「台湾の生活で気をつけることとは?」です。
物価が安い、ご飯が美味しい、日本から近い、観光ビザで移住できるといった良い面が多い台湾ですが、悪い面も知っておくことをおすすめします。
生活環境が日本と異なる
そこまで悪い面はありませんが、強いて言えば「生活環境」が異なります。
台湾人の楽観的な国民性、夏の暑さ、虫が多い、家賃が高いなどなど。
人それぞれ感じ方は異なりますが、移住前に「あえて」悪い面を確認しておくのも良いかと思います。
こちらの記事も参考にしてみてください。
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台湾移住に失敗しやすい人の特徴8選
わたしは、実家の千葉を中心として地方都市を回りながら、フリーランスとして働いています。 もともと、海外に居住を移すつもりでしたが、新型コロナウィルスの影響によって、海外渡航が不可能となっているためです ...
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よくある質問③:中国語できないけど大丈夫?
次に、「中国語できないけど大丈夫?」という質問です。
結論から言うと、問題ありません。ただし、中国語ができた方が生活の幅は広がります。
台湾は日本語できる人がそこら中にいます。また、日本人観光客も多いので、日本人慣れしている国です。
ということで、そこまで中国語ができないという不安を抱える必要もありません。
台湾で中国語を学ぶのもあり
時間に余裕があれば、台湾で中国語を勉強するのもありです。
台北市内だと大学付属の語学学校が多くありまして、3ヶ月で学費10万円ほどです。
ちなみに、わたし自身も、台湾で中国語を学んでいました。
台湾で中国語を学んでみたい方は、こちらの記事をどうぞ
≫台湾で中国語を学ぶメリットとデメリットとは?
-
台湾で中国語を学ぶメリットとデメリットとは?
海外で中国語を学ぶ上で迷うのが、「中国で中国語を学ぶ」か、「台湾で中国語を学ぶ」かの2択です。それぞれメリットデメリットがあるため、どちらが良いとは言えません。私は、現在を含め台湾で、2回中国語の学校 ...
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よくある質問④:台湾での起業は難しい?
4つ目のよくある質問は、 「台湾での起業は難しい?」です。
観光ビザ、就労ビザに次いで可能性の高い移住向けビザは、起業ビザです。
すでに、ビザの項目でも記載しましたが、ビザ更新には以下の要件を満たさなければなりません。
1.最近1~3年間に、営業収入が平均300元(約1,200万円)あること
2.最近1~3年間の営業費用が平均100万元以上(約400万円以上)
3.台湾の正規雇用社員が3名以上
4.その他台湾国内の経済発展に貢献したと認められた場合
すでに、個人で事業を持っていて、ある程度の規模にまで達していればクリアできそうです。
台湾の法人税が安い
日本と台湾、どちらで起業するか迷われている方も多いと思いますが、台湾での起業がおすすめです。
というのも、日本の法人税は23.2%、台湾の法人税は20%と、3%の差があります。
3%と聞くとそこまで大きくないと感じますが、1,000万円が課税対象の場合、30万円が税金を免れます。
金額が大きくなるほど、この3%は大きい意味を持ちます。環境にもよりますが、台湾で起業するもの大きなメリットです。
よくある質問⑤:台湾でAmazonは使える?
結論から言うと、台湾にはAmazonがありませんが、日本から転送という形で利用できます。
ただし、転送サービスを使う必要がるため、手数用がかかる点に注意が必要です。
台湾独自のネットショップ
台湾にはAmazonがありませんが、独自のネットショップサイトが多くあります。
PChome・YAHOO! 奇摩(台湾版ヤフー)・momo購物網・楽天台湾などあり、台北だと当日・翌日に届くので便利です。
また、日系デパートに行けば、日本製品も売っているため、生活に困ることもありません。
まとめ:台湾移住は比較的簡単です
台湾への移住方法と準備リストをまとめました。
海外移住と聞くと難しいイメージがありますが、そこまで難易度は高くありません。
まずは、旅行で慣れてから、長期間住むという方法もおすすめです。
台湾が自分に合うと感じたら、思い切って移住しましょう。