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中国語検定とHSKはどっちを受ければ良いのか?【両者の違いを比較】

中国語検定とHSKはどっちを受ければ良いのか?【両者の違いを比較】

語学を学ぶ上で、自分のレベルを測るために「検定試験」を受けている方も多いのではないでしょうか。検定試験が1つの物差しとされており、企業面接でも重要な資格とされています。

中国語を勉強してる方なら、1度は受けるであろう「中国語検定」と「HSK」。しかし、どっちを受ければ良いのかわかない方も多いはずです。

今回の記事では、中国語の資格である「中国語検定」と「HSK」の違いや比較をしてみました。同じ中国語の検定資格ですが、テスト内容や測れる能力も全く異なる検定です。

中国語検定とHSKはどっちを受ければ良いのか?

日本で中国語の資格を取得する場合、中国語検定とHSK(漢語水平考試)が代表的な検定です。どっちも、中国語のレベルを測れる検定として人気がありますが、団体も異なれば、テストの内容、測れるレベル、そして効力も違います

まずは、中国語検定とHSKの2つの検定について、それぞれの特徴について3点ほど挙げます。中国語を始めたばかりの方のために、2つの検定にどのような特徴があるのか簡単に知っておきましょう。

 

中国語検定

中国語検定

 

中国語学習者であれば、必ず耳にするのが「中国語検定」です。中国語検定は、日本語を母語とする中国語学習者を対象とした検定です。1981年から始まり、2020年3月に第100回のテストを迎えます。

中国語検定の特徴してあげられるのが、以下の3つです。確認していきます。

①6つの階級がある

②1年に3回受験可能

③知識的な問題が多い

 ①6つの階級がある
中国語検定は6つの階級に分かれています。「準4級・4級・3級・2級・準1級・1級」の6つです。準4級・4級が基礎レベル。3級・2級が中級レベル。準1級・1級が上級レベルといった感じで覚えておけば問題ありません。

わたしが受験した感覚では、3級と2級、2級と準1級にそれぞれ大きな壁があります。この2つの壁は、語彙や文法レベルの違いが大きいです。外語大学レベルだと卒業時に2級に受かっていれば、良いレベルと聞いたことがあります。

 

 ②1年に3回受験可能
中国語検定は、1年に3階受験機会が設けられています。1年に3回と聞くと、英検が同じく3回ですね。中国語検定は、6月、11月、翌年3月に筆記試験が行われます。また、準1級と1級には2次試験(口述試験)があり、準1級は8月、翌年1月、4月。1級の2次試験は1月のみです。

あれ?と思われた方もいるかと思いますが、1級は年に1回しか受けられません。1級の試験は1次試験が11月、2次試験が翌年1月です。ほかの級については、1年に3回行われます

 

 ③知識的な問題が多い
中国語の試験問題の特徴として、知識問題が多いです、具体的には、語彙や文法を複数の選択肢から選ぶ問題や、正しい文の並び順を当てるといった問題と多いと感じました。そのため、中国語検定の問題は、教科書や参考書通りの知識を頭に入れることが、受かるための勉強方法です。

 

HSK

HSK

 

次にHSKについて説明します。HSKと中国語の違いは、運営団体です。中国語検定は「日本中国語検定協会」という日本人による組織ですが、HSKは中国政府が管理を行っています。正確には、中華人民共和国教育部です。

1990年から国際資格として開始され、中国語検定とは違い、中国語を母語としない世界中の中国語学習者を対象としています。HSKを受験されたことがある方なら知っているかもしれませんが、HSKの試験は監督者が中国語で説明しており、開始(Kaishi)!という一言で始まるのが個人的なツボです。

それでは、HSKの特徴も3つ挙げます。

①6つの階級がある

②1年に複数回受験可能

③会話のみの試験もある

 ①6つの階級がある
中国語検定と同じじゃん!そうです、HSKも6つの階級に分かれています。中国語検定との違いは、数字が上がるほどレベルが高くなることです。中国語検定の場合、準4級から1級にかけて難しくなります。一方、HSKは1級から6級にかけて難しくなる検定です。つまり、HSK6級が最高レベルです。

現行のHSKは、新HSKと呼ばれています。2010年までのHSKでは、11の級に分かれており、最高レベルHSK11級は相当難しかったようです。残念ながら、私が中国語を勉強する前に新HSKに移行したため、テスト内容は良くわかりません

 

 ②1年に複数回受験可能
中国語検定との違いは、1年間に受けられる受験回数です。中国語検定は1年に3回のみしか受験できませんが、HSKは最大で12回受験できます。地域によっては実施されない回もあるため、日程を確認しておきましょう。

HSK年間スケジュール:http://www.hskj.jp/schedule/

 

 ③会話のみの試験もある
中国語検定とのテスト内容の違いとして、リーディング+リスニングのテストとスピーキングテストが分かれていることです。中国語検定の場合、準1級と1級のみ1次試験に合格した後に、スピーキングテストが行われます。

一方、HSKはスピーキングテストが完全に独立されています。スピーキングの能力を測るために、HSKK(漢語水平考試口試)を受けることが可能です。HSKKは、1年3~4回ほど実施されており、通常のHSKの試験後の夕方からテストが行われます。

 

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中国語検定 VS HSK

中国語検定 VS HSK

 

中国語検定とHSKの違いが分かったところで、どっちを受けるべきか比較してみます。比較してみる内容は、以下の5つとしてみました。参考にしてみてください。

①テスト内容

②難易度

③留学

④就職

⑤中国語としての本質

 

①テスト内容

1つ目は、テスト内容の違いを説明します。中国語は上でも説明した通り、正しい語彙や文法の知識を測る問題が多いです。感覚としては、全問題の60~70%が知識系の問題でした。

HSKは、中国語検定とは違い、中国語の文章を読み取る力が試されます英語でいうとTOEICに似たテストです。ただし、HSKではビジネス系の問題は出されないため、TOEICを日常的に必要な中国語としたものがHSKに近いと思います。

 

②難易度

2つ目は、難易度の違いです。ほかのサイトや中国語学習の専門家の方も、中国語検定とHSKの難易度比較をされています。ただし、全く異なるタイプのテストであるため、比較自体が難しいです。

個人的な感覚としては、中国語検定2級に受かれば、HSK6級を合格する力はあると思います。また、中国語検定準1級・1級はHSKには当てはまらないほど、マンモスレベルで難しいです。中国語検定2級を目指しつつ、HSK6級も視野にいれて勉強するのが良いですね。

 

③留学

3つ目は、留学です。これは、HSKに軍配が上がります。というのは、HSKは中国政府公認の中国語検定であるためです。中国留学をしたい方は、受ける学校によっていずれかの級に合格する必要があります

ただし、台湾など中国以外に留学を希望する方は、HSKの取得が義務とされていません。中華圏に留学を希望する方は、どの検定資格が必要が個々で確認しましょう。

 

④就職

4つ目は、就職です。わたしは、新卒の就職活動時に「中国語検定2級とHSK6級」を保持していました。履歴書にも書かせていただきましたが、正直、HSKの知名度が低すぎです

企業の人事に「HSKとはどのような試験ですが?」と質問されるほどでしたので、中国語検定の方が採用的には知名度が高いかもしれません。ただし、HSKの知名度も上がってきているため、今後、HSKが就職で必要になることも十分考えられます。

 

⑤中国語としての本質

最後に中国語の本質の理解度です。個人的には、HSKの方が、中国語を理解することを目的とされていると思います。HSKは、知識問題の多い中国語検定とは違い、文章量も多く、精読力や読むスピードが試されます。

語学を実践の場で使うためには、速いリーディング能力とリスニング力が必須です。ネイティブと話せばわかりますが、多少の語彙や文法の違いは、それほど問題になりません中華圏で暮らしたい、話せるようになりたいという方は、HSKの合格を目指して勉強するのが良いですね。

 

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両方受けといて損はない

中国語検定とHSKの違いについて紹介をしました。一長一短があるため、どちらが優れた検定であるかは比較できません。わたしは、中国語検定もHSKも受けていますが、両方のメリットを享受できたため、両方受けていてよかったと感じています。

そのため、両方受けといて損はありません。ただし、両方とも受験料が高額なので、向いてないと思ったら受けるのをやめた方がいいです。試験には相性もあるため、受けてみた結果、中国語を勉強しやすい方を選べば良いです。

 

簡体字・繁体字両方に対応

中国語検定・HSKはいずれも簡体字と繁体字で筆記が可能です。ただし、選んだ方で全て回答しなければなりません。この文字だけ、簡体字が分からないから繁体字で書くということは禁止されているため、注意しましょう。

 

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【おまけ】他にもある中国語検定

日本で、中国語と言えば「中国語検定とHSK」がメジャーです。実は、他にも中国語検定としての資格もあるため、興味がある方は受けてみましょう。

 

台湾中国語検定 華語検定(TOCFL)

台湾中国語検定 華語検定(TOCFL)

中国語検定の団体は、日本と中国だけではありません。台湾でも、独自の中国語検定が実施されており、TOCFLと呼ばれています。TOCFLは台湾での公式な中国語の資格であるため、内容はすべて繁体字です。

台湾に語学留学をすると受験を進められます。また、台湾の大学に留学する際に、必要な場合があります。全部で6つのレベルがあり、初級2つ・中級2つ・上級2つとカテゴリ分けされているのが特徴です。HSKのテスト内容に近い記憶があります。

台湾中国語検定 華語検定(TOCFL):http://tocfl.tecc.jpn.com/

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中国語コミュニケーション能力検定(TECC)

次にご紹介するのが、中国語コミュニケーション能力検定です。受けたことはありませんが、過去問を見る限り、中国語検定とHSKを合体させたような問題が多いです。お互いの特徴を補っているため、総合的な能力を測れると思いました。

中国語コミュニケーション能力検定は、TOEICのようにスコアで成績が出されます。中国語能力の現在値を測るために活用できるのではないでしょうか。時間があれば、わたしも受けてみようと思います。

中国語コミュニケーション能力検定:http://www.tecc.jpn.com/index.html

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