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『通訳案内士』中国語の一次試験対策は過去問から【勉強法解説】

『通訳案内士』中国語の一次試験に合格するための勉強方法【過去問から導き出す】

通訳案内士の一次試験はマニアックな問題が多く、勉強方法を確立しにくいと感じている方が多いと思います。とくに、語学の試験は観光系の用語も出てくるため、普通の資格試験以上の専門的な勉強が必要です。今回は、通訳案内士一次試験の「中国語」に特化した勉強法をまとめてみました。

通訳案内士「中国語」の一次試験を突破したいと考えている方へ、勉強法のアドバイスを送ります。

メインテーマ

通訳案内士の一次試験「中国語」の合格点を取る方法

 

 中国語のスキルを把握する
勉強方法を確立させる前に、中国語のスキルの立ち位置を把握しておきましょう。通訳案内士の一次試験の中国語は、難易度の高い問題が出題されます。一次試験の勉強を始めるには、「中国語の文章をスラスラと読める」状態が望ましいです。

わたしは、中国語を始めて5年ほど経ち中国語の翻訳のお手伝いもさせて頂けるレベルです。中国語検定3級レベルの文法・語彙力があると試験も解きやすくなると思います。

 

 合格する流れをイメージする
語学だけでなく、試験勉強を行う際には「合格するまでの流れ」をイメージしておくようにしましょう。これは、やみくもに勉強してしまうと途中で流れを見失い、目標達成が実現できないためです。まずは、通訳案内士の一次試験を合格するための流れを構築させます。

合格点を取る流れ


①過去問を確認する

②過去問で得点を取れる勉強方法を考える

③各設問ごとに対する勉強方法を確立させる

④継続した勉強を行う

⑤過去10年分の問題を解く

⑥本番で85点を目指す

 

 過去問を用意する
通訳案内士一次試験「中国語」の試験問題を解説にするにあたり、各自過去問を用意しておくことをおすすめします。観光庁の過去問題リストや語学スクールに掲載されているため、ダウンロードをしておきましょう。今回は「平成30年度通訳案内士試験」を参考にしています

※観光庁HPにある過去問は著作権により問題文が掲載されていません。

①過去問を確認する

通訳案内士の試験だけでなく、全ての試験を受験する際には「過去問」を確認しましょう。なぜならば、過去問にマッチした勉強方法を行わないと学力が高くても合格する可能性が減ってしまうからです。

 

 過去問をやり込めば受かる
逆に言えば、学力に自信がなくても、過去問をしっかりやり込めば合格する可能性もあります。
よく大学受験で、自分よりも偏差値の低い人が、自分より学力の高い大学に受かっていることがありますね。資格試験でも同じようなことが言えます。

 

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②過去問で得点を取れる勉強法を考える

とはいえ、過去問を眺めているだけでは得点が取れるようにはなりません。

得点を取れるような勉強方法を過去問から見つけだしましょう。

 

何が問われているかを明確にする

過去問をやり込むと言っても、ただ試験問題を解いて「70点以上取れたか取れてないか」という使い方はおすすめしません。過去問をやり込むとは、試験問題の傾向を確認して、問題が変わっても解けるような勉強方法を作ることです。

 

 通訳案内士の中国語は何を出題しているのか?
つまり、過去問題から各設問ごとに「どのような出題がされるか」を徹底的に分析をすることが、合格するための正しい過去問の使い方です。

 

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③各設問ごとに対する勉強法を確立させる

過去問を確認する際に、各設問ごとに対する勉強方法を確立させることが必要です。問題を解いていき、どうすれば正答にたどり着けるかを意識した過去問研究を行うようにします。

それでは、各設問ごとにチェックしていきましょう。通訳案内士一次試験の中国語は4つの大問構成です。

 

 

『問題1』の勉強法

問題1は、文章空欄の穴埋めや文章の内容に一致する問題が出題されています。中国語検定の問題にもよくある設問に近いです。
問題文を読むと実際そこまで内容的には難しくありません。中検2級レベルの読解力があれば、内容把握は容易にできると思います。

 

 設問をチェック
それでは、問題1の設問をチェックしていきましょう。下の表のように、問題1は文章内容を理解することが正答に結びつく必須の条件となります。

設問チェック

設問1-1:文法穴埋め(接続詞)→文章内容を理解する必要がある。
設問1-2:成語→知識問題。中級レベルの成語。
設問1-3:短文穴埋め→文章内容と短文の意味を理解。
設問1-4:内容一致→文章内容を理解する必要がある。

 

 文章内容を要約する訓練が必要
正答するには文章理解が必要なので、精読する勉強方法を行いましょう。細かく読む必要はありませんが段落ごとにおおまかな情報を掴むようになるのが目標です。平成30年度の問題にあてはめると、つぎのような段落理解ができれば得点を取れます。

文章を要約する

第一段落:災害発生中に学校の資料室を眺める→どの作家が良い本?→魯迅の本とソ連の本などを借りた→読書に没頭。

第二段落:大学に入学→毎日図書館に行く→どんな環境でも本を読む精神に感動→読書が生活習慣になる。

第三段落:読書はマラソンに似ている→自己の成長を高めるなら読書がおすすめ。

要約をすると、「災害時につらい状況で本を読んだ自分の経験と、どんな環境でも本を読むことを読む過去の人が重なり、読書は自己の成長を助けるものである。」といった内容です。

このように短い文章をさらにポイントを拾って、短く要約する力を付ける勉強を行いましょう。この設問の場合、上記の要約ができれば、設問1-4の正答が「2」だと分かります

 

文章内容を要約できれば、設問1-3も正答できます

設問チェック

①「ここ」から広い知識の海に入った

②甘い蜜の「ように」わたしの心に浸透した

③熱意と時間によって読書を受け入れ

④まさに緊迫感によるものです

短文穴埋めは、「文章を違和感なく繋げる力」と、「代名詞に注目できる力」を必要とします。

まず、(ア)からです。前文に「緊迫した時間が本を読むことを掻き立て、さらにそれら(本)は」とあります。主語「それら(本)」に注目すると、②が唯一主語を補っても意味が通じる文章だと理解できるはずです。

次に(イ)を見ると、「南開大学に入学し、()。」と文章が終わります。そして、次の文章を見ると「読書を通して得た内容」が記されてるので、①が正答です。①の「从此」が大学と分かれば、すぐに答えられます。

(ウ)は、最初に空欄があり、その後「4年間を経て、1000冊もの本を読んだ」という文章です。空欄の全文を読んでみると、「ある本の人物がどんな過酷な状況にあっても本を読んで知識を得たことに刺激を受けた」と書かれています。このことから、4年間で1000冊読めむきっかけは、ある本からの刺激が原因と推測し、④を選択できます。この設問は少し悩むと思うので、後回しにしてもかまいません。

最後に(エ)は、「自己を高め、視野・知識を広げ、( エ )、読書は生活習慣になる。」という文章です。読書を生活習慣にするには、如果の条件が必要であるという流れです。つまり、文章として違和感のない③をすぐに選べます。

 

 文章とともに文法をマスターする
次に設問1-1は、文法の知識が必要です。文章を見てわかるように、「文章と組み合わせて文法」が問われているため文章とともに文法を勉強しましょう

設問チェック

(A)は、直前に「无奈(どうしようもなく)」とあるので、呼応する「只好(するしかない)」を選ぶ

(B)は、即使~还の構文

(C)は、「在学中の経験によって読書が習慣になった→さらに生活スタイルになった」と理解できれば「不仅」を選べます。

(D)は、「読書はマラソンである」から、「いつ始めても→遅くなることはない」という流れで「无论」を選べます。「都」が呼応しているので、文法的にも正答可能です。

正答からもわかるように、文章の流れから文法を的確に判断できる力と、文章中からすぐに呼応を見つけられる勉強方法により得点できます。

 

おすすめ参考書

聴読中国語 (東進ブックス) →文章から単語文法を取得できます。中級レベル以上が対象の参考書。英語の速単に似ています。

 

 成語は中級レベルを覚える
成語については、覚えるしか勉強方法がありません。ただし、通訳案内士の中国語試験で問われる成語は、決してレベルが高いものではありません。成語が複数掲載された参考書を使って、コツコツと覚えるようにしましょう。

 

 問題文の出典を勉強方法に取り入れる
平成30年度の中国語を見て、硬い文章だと感じる方が多いと思います。そこで、下に掲載されている出典を見ると「人民日報」からの文章が、問題として使用されていました。毎年出典は変わるものの、エッセイ的な文章から問題文が作られています。

つまり、中国語のエッセイを中心に読み込むことで、問題文章にも慣れていくという勉強方法を確立できます。

 

 

『問題2』の勉強法

次に問題2の設問の勉強方法を研究していきます。問題文に対して設問が振り分けられているのが、問題2の構成です。

文章の内容は難易度的に高めなので、通訳案内士の勉強をする前に読解の訓練をしておきましょう。

 

 設問をチェック
問題2に関しても、設問のチェックから行います。それぞれの設問で「何を問われているのか」を明確にしなければならないためです。引き続き平成30年度の試験問題を使用して解説していきます。

設問チェック

設問2-1:成語問題→成語と文章に適した意味を覚える必要がある。
設問2-2:並び替え問題→文法・文章の流れを正確につかむ必要がある。
設問2-3:内容一致→文章内容を理解する必要がある。

 

 精読力が必要
問題2は異常の通りの設問内容です。文章量が問題1よりも多く、難しい単語が並べられているのである程度の読解力が必要とされます。

問題2に関しても簡単な要約を行ってから、正答を見つけ出し勉強方法にアプローチをしていきましょう。

文章を要約する

第一段落:日本とアメリカの映画制作の違い→アメリカはエンターテイメントを意識、日本は人間的な部分に焦点

第二段落:日本のアニメーションは人物の動きに力を入れている、レベルも高く短い時間で制作可能。

アメリカのハリウッドアニメーションは、視覚効果、ユーモアさに焦点。人の失敗や社会状況などを表現せず、人を満足させることで高い評価を得た。

難しい単語が並べられていますが、要約すると「日本とアメリカのアニメーションづくりは、文化的要素によって異なる」と言いたいだけです。第二段落目で日本とアメリカのアニメの表現について補足されています。

この要約ができれば、設問2-3は回答できます。「日本は人間的な要素、アメリカは人を満足させること焦点。」という要約から、「③」を選べるのではないでしょうか

 

 高度な文法を使った文の表現力
設問2-2は、文法を使った並べ替えの問題です。文章の意味を把握すると同時に、高度な文法を使って作文する能力が問われています。問題文の要約と並び替え部分の単語を見て、「ハリウッドは〇〇を表現することで、人々に●●を感じさせた。」と骨格を作るのが回答するための準備です。

また、選択肢から文法を見つけ出して直感的に、「以~動詞+使+人+動詞」が頭に出るような文法の勉強方法が必要です。

回答がないのですが、「因此美国好莱坞动画(以最直接的表现手法是人们体会到灵魂的真,善,美)」とし、「③と⑨」と答えを導けます。

 

 成語はイメージできれば良い
中国語を勉強していて一番難しいのが成語です。数が多いのはもちろん、意味を覚えるのに苦労してしまい、ここで中国語を諦めてしまう方もいます。

成語はわたしも苦手ですが、簡単なイメージができるようになれば試験問題はクリアできます

たとえば、設問2-1を参考にすると、

成語はイメージ力が重要

(A)の「独领风骚」は独り占めしてるイメージ

(B)の「普罗大众」は普通の大衆

(C)の「沉稳内敛」は落ち着いている様子

(D)の「清晰易懂」は容易く理解できる

(E)の「条理分明」は理路整然とした感じ

このように完璧に意味を覚えるのではなく、中国語の感じから意味をイメージできるような勉強を行うようにすれば、成語問題もとっつきやすくなります。ちなみに、上記の簡単なイメージができれば、設問2-1を③と回答できます。

おすすめ参考書

HSK成語用法(日本語) → 例文から成語をイメージした勉強ができます

 

 

『問題3』の勉強法

続いて、問題3の勉強方法を研究していきます。問題3も問題文に対して、設問で回答していくという形式です。それでは、まずは設問からチェックしていきます。

設問チェック

設問3-1:訳語問題→文章に適した日本語訳力が必要
設問3-2:訳語問題→文章に適した日本語訳力が必要
設問3-3:内容一致→文章内容を理解する必要がある。

 

 翻訳力が問われる
上記からもわかる通り、問題3で問われているのは中国語から日本語への翻訳力です。中国語の文章を読み、日本語に切り替えられる勉強をしなければなりません。

いずれにしても、まずは問題文を精読していきます。文章自体がそこまで多くないので、簡単に要約できれば問題ありません。

文章を要約する

第一段落:半沢直樹の人物象に「厚く黒い」知恵がある→バブル崩壊後の日本社会には「厚く黒い」知恵が必要

第二段落:悪の要素「暗黙知」は悪の部分を隠すのに必要→巧妙なパッケージング手法によって悪意の知識が合理化される→「暗黙知」の目的は厳しい環境で自分を守り職場で戦うこと。

文章的にはそこまで難しくありませんが、翻訳した日本語が理解できないと設問に回答できません。そこで、要約するうえで段落と段落のつながりを意識するようにします。

要約からもわかる通り、悪意の要素を以て社会で戦う必要があるということで、設問3-1は⑤の腹黒さ、設問3-2が④、設問3-3が①が答えです。

 

 高度な和訳と要約演習を行う
精読力と正確な和訳能力を養うには、高度な勉強方法を実践しなければなりません。

そこで、中国語検定の準一級用問題集を使った勉強をおすすめします。

HSKではなく、中国語検定の参考書を使う理由は「問題文の文章レベルが近い」こと、「日本人向けの検定試験で高度な問題を演習できる」ためです。

おすすめ参考書

合格奪取! 中国語検定準1級→文章読解練習と和訳演習に最適です

 

『問題4』と『問題5』の勉強法

問題4と問題5は、日本語を中国語に翻訳する問題です。

この問題4と問題5が通訳案内士の肝となる試験で、観光用語や文法能力が問われます。

 

 言い換える力を付ける
問題4と問題5を解くうえで、おそらく中国語ではわからない単語が出てきます。

わからない単語に対して、知っている単語を使って、どのような言い換えが可能であるかを勉強するようにしましょう。

言い換えの例

伝統郷土料理→传统的当地菜

炊き立てのご飯→刚做好的饭

インスタント食品→方便食品

 

 日常的な単語を中国で表現する
日ごろから生活上に出くわす単語に対して、どのような中国語で表現できるか勉強しておけば、分からない単語が出てきても言い換えられます。

日常的に中国語でアプローチする勉強することが、問題4・問題5で得点を取るための戦略です。

また、問題5は日本の伝統的な物を中国語で訳せるように勉強します。

これは、参考書を使用して訓練をすること、また定期的に中国語ネイティブに文章を強制してもらう勉強方法がおすすめです。

おすすめ参考書

合格奪取! 中国語検定準1級→和文中国訳の演習におすすめ

おすすめ参考書

30秒でできる! ニッポン紹介 おもてなしの中国語会話→観光系用語の日本語から中国語への翻訳練習におすすめ

 

 

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④継続した勉強を行う

通訳案内士一次試験に合格するためには、勉強方法を確立するだけではいけません。過去問から得た勉強方法を継続しなければなりません。

 

 1週間継続してみる

まずは、1週間継続してみましょう。1日2時間集中して取り組めば、1週間で14時間の勉強時間を確保できます。

そして、1週間の継続を達成したら、次は1ヵ月→3ヵ月と勉強を継続しましょう。3ヵ月継続すれば180時間も中国語を勉強できます。これだけ勉強時間を使えば、難関とされる通訳案内士の試験も合格するはずです。

 

 

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⑤過去10年分の問題を解く

勉強を継続できたら、定期的に過去問にチャレンジしてみましょう。

これは、勉強方法が合格するための道から逸れていないことを確認するためです。

2週間、あるいは1か月ごとに過去問の演習や解いた問題の復習を行い、勉強方法と過去問にズレがないようにしましょう。

 

⑥本番で85点を目指す

通訳案内士の中国語は、100点満点中70点が基準点です。70点以上の特典を取れば、外国語について一次試験通過となります。

本番では70点ではなく85点を取るような計算をしておきましょう。

もちろん、100点を取れれば最高ですが、難易度の高い通訳案内士の試験で100点満点は現実的に難しいです。85点を想定した勉強方法を日ごろから意識して行うことで、本番の試験も余裕をもって臨めると思います。

 

 

【まとめ】『通訳案内士』中国語の試験対策には過去問がおすすめ

通訳案内士の中国語の試験は、普通の語学試験と異なり独特の試験問題が出題されます。

勉強を始める前に、過去問をしっかりと読み込み、合格するための勉強方法を確立しなければなりません。

合格までの正しい道を進んで、口述の二次試験に進みましょう。

 

 通訳案内士一次試験の勉強方法もチェックしておきましょう

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