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マドリードのチャイナタウン「ウセラ地区」の実態とは?【スペイン最大の中華街】

マドリードのチャイナタウン「ウセラ地区」の実態とは?【スペイン最大の中華街】

パリでの2日間の滞在を終えて、スペイン・マドリードに来ています。マドリードに来たメインの目的はサッカー観戦です。

マドリードに来るのは2回目ですが、日本文化とは真逆のラテン系は生活しやすいですね。

マドリードに来たのはサッカーがメインですが、ほかにも行きたいところがあります。

それが「マドリードのチャイナタウン」です。前回、フランス・パリのチャイナタウンの記事を書きましたが、海外チャイタウンシリーズのマドリード編です。

 

マドリードのチャイナタウン「ウセラ地区」の実態を見てきた

パリに引き続き、スペイン・マドリードのチャイナタウンに行ってきました。ヨーロッパのチャイナタウンの歴史については、チャイナタウン「パリ編」で紹介しているので、そちらを参照してください。

http://パリの街に同化された13区の「チャイナタウン」を散策【パリ最大の中華街】

 

スペインの中華系住民

パリのチャイナタウンの記事で、ヨーロッパに中華系の移民が増えたのは、第一次、第二次世界大戦による人手不足やインドシナ(ベトナム・カンボジア・ラオス)の社会主義政策による難民が原因であると説明しました。しかし、当時、フランスとは異なり、スペインへの中華系移民はそこまで多くはありませんでした

 

 1980年後半から増えた
フランスでは1970年代から中華系移民が増加しましたが、スペインへの流入はそれから10年以上も後の1980年代です。2000年代に入ると出稼ぎ移民や、中国資本によるスペインへの投資が相次ぎました。

結果として、現在でも中華系住民が増加し続けており、スペイン全土で10万人の中華系移民が住んでいます。それでも、ヨーロッパ最大の中華系住民を持つフランスより、人数は少ないです。なお、スペインへの中華系移民はマドリードやバルセロナが多いです

 

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スペインと中国の関係

スペインと中国互いに遠く離れた国ですが、経済面での結びつきは昔から強いです。1565年には300年以上もの間フィリピンを植民地として、中国とヨーロッパを結ぶ貿易を行っていました。

 

2018年に国交樹立45周年

中世に始まったスペインと中国の貿易関係ですが、その後も良好な関係が続き、1973年に正式に中国とスペインの間で国交が結ばれました。国交樹立45周年には、中国・習近平主席がスペインに公式訪問するなど、スペインを重視しています。

 

対中国輸入3位

中国・スペインはお互いに経済面で強い結びつきがあります。スペインの対輸入国ランキングでは、上位にヨーロッパが占める中、3位が中国です。二国間貿易額は年間300億ドル(4兆円以上)を記録しました。

 

 スペインは重要な相手国
中国にとって良好な関係を維持しているスペインは最重要視している国と言っても過言ではありません。というのも、スペインをヨーロッパの入り口として見なしているためです。

 

一帯一路の関係

中国が構想している巨大経済圏「一帯一路」でも、スペインが大きな役割を果たしています。この一帯一路構想に対して、スペイン国王は積極的な参加を促しており、エネルギー、インフラ、交通面でのバックアップを表明しました。

 

 中国「義鳥」とマドリードの貿易列車
一帯一路構想の一部として、中国浙江省の「義鳥」とスペイン首都マドリードを結ぶ列車が2014年に開通されてました。2020年はコロナウィルスの影響を受けて一時停止していましたが、2月中旬に再開され1度の便でコンテナ80個が輸送されたそうです。

 

サッカーでも強いつながり

スペインと中国は経済面だけでなく、スポーツ面での繋がりも強いです。特にサッカーは、スペイン強豪チーム「アトレティコ・マドリード」のホームスタジアムの命名権を中国不動産大手「大連万達グループ」が獲得し、「ワンダ・メトロポリターノ」と名付けられました。

ほかのチームでも中国系企業がスポンサーであったり、試合中に中国語の広告が流れたりと、スペインサッカーリーグで中国からの投資によって支えられています。

 

 選手の移籍も
スタジアムへの投資だけでなく、選手間の移籍も活発です。中国人選手「ウー・レイ選手」がスペイン一部リーグのエスパニョールというチームに移籍したのが最近話題となりました。実力的な面もありますが、当然、商業的な面も含まれているはずです。

 

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ウセラ地区のチャイナタウン

スペインと中国の関係は意外にも深く、それゆえにチャイナタウンも出来上がりました。ヨーロッパのなかでは中華系住民の少ないスペインですが、政治的・経済的の背景からおそらく中華系移民が増えていくと考えられます

スペインのチャイナタウンは、マドリードの「ウセラ地区」が最大です。マドリードの中心部からは地下鉄で行くことができ、民家も多くベッドタウン的な場所でした。マドリード地下鉄6号線の「Usera駅」がウセラ地区の入り口です。

 

ウセラ地区の様子

マドリード中心地に滞在していたので、地下鉄に乗って「ウセラ駅」まで行きました。ウセラ駅で地下鉄を降りると目に飛び込んできたのが、「春節を祝うド派手なラッピング」です。「あぁここは中国なんだな」と思ってしまいました。

ウセラ地区の様子

 

 明らかな場違い感
ウセラ駅を降りると至る所に飲み物屋さんがありました。スペイン風の建物の内装が完全に中国式にリノベーションされており、明らかに周りと比べて浮いているのが印象的です。

 

明らかな場違い感

 

 街全体が中国語
駅からウセラ地区の中心部に移動しました。中心部までの道は右も左も「中国語」だらけで、スペイン語が逆に違和感を感じてしまうほどです。目隠しをした人間を「日本からウセラ地区」まで連れてきて、どこにいるか当てさせるゲームをやってみたいと思いました。

 

街全体が中国語

 

中華系住民以外もいる

ウセラ地区を歩いて気になったのが、中華系住民以外の住民です。スペイン人が多いと思いきや、おそらく「中南米系」と思われる顔立ちの方が多く感じました。中華料理店がある以外に、メキシコ料理やコロンビア料理、エクアドル料理屋もあり、やはり「スペイン語圏」の方も住んでいるようです。

中華系住民以外もいる

 

治安は普通

スペイン人がほとんど見られなかった「ウセラ地区」ですが、治安は歩いた感じそこまで悪くは感じませんでした。悪くないと言ってもスリには気を付けた方が良いです。スーパーマーケットにも立ち寄りましたが、マドリード中心部とそこまで変わった様子もありませんでした。

 

カジノが異常に多い

スペインはカジノが合法の国です。マドリードの中心部を歩ていても普通に、「CASINO」と書かれた看板を目にすることができます。「ウセラ地区」にもカジノがありましたが、狭い地域にいくつもカジノがありました。

 

 中国系住民向けのカジノ
中華系はよくわかりませんが、賭け事が大好きです。中華圏だとマカオのカジノが最大レベルですが、台湾にも至る所にスポーツクジの店があります。

ウセラ地区のカジノは、「中華系住民」を対象として建てられたそうで、CASINOの横に中国語で「賭場」と書かれていました。

中国系住民向けのカジノ

 

中華料理は安定の美味さ

せっかくチャイナタウンに来たので、中華料理を食べてきました。福州料理のお店で牛肉湯麺を食べましたが、やはり中華料理はどこも美味いです。ちなみに、当然ながら「中国語での注文」が出来ました。フランスでもスペインでも使えてしまう中国語の万能性を改めて素晴らしいと思た瞬間です。

中国語ができると人生が楽しくなる3つのメリット【英語より中国語の理由とは?】 

中華料理は安定の美味さ

 

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「ウセラ地区」はリアル中国だった

ウセラ地区のチャイナタウンは、日本の中華街のような観光要素は全くありません。パリのチャイナタウンは地元住民も多くパリの街に溶け込んでいましたが、マドリードのチャイナタウン「ウセラ地区」は少し浮いているようにも感じました

ウセラ地区を歩いていて、治安が悪いという感じはしませんでしたが、スペイン警察の情報による犯罪率はマドリード市内で高めです。日本人が犯罪に巻き込まれる可能性は低いと思いますが、ウセラ地区に行かれる方は夜ではなく明るい昼間に行きましょう。スペイン・マドリードにいながらリアル中国を味わえるチャイナタウン「ウセラ地区」でした。

「ウセラ地区」はリアル中国だった

 

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【次回予告】次のチャイナタウンはどこ?

パリやマドリードといったヨーロッパの都市だけでなく、世界中にチャイナタウンがあります。せっかくなので、世界のチャイナタウンを訪れてみようと考えました。

次回は、おそらく「カンボジア」と「ベトナム」のチャイナタウンに行くと思います。カンボジアは中国資本が活発でまさに「旬」です。首都プノンペンの様子や中華系に支配された港町「シアヌークビル」も検討しています。

ベトナムは東南アジアのなかでも中国資本を避けている国家です。とはいえ、歴史的に中国との関係性もあり、中華系住民も多くいます。ベトナム人の伝手を使って、回れればと相談中です。

ご期待ください。

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