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「香港デモ」香港で過ごした年末年末(2019年12月29日~1月1日)① 【デモの理由は?】

「香港デモ」香港で過ごした年末年末の様子を紹介(2019年12月29日~2020年1月1日)① 【デモが発生した理由】

2019年6月9日に行われた香港での逃亡犯条例改正案に対する大規模デモから、12月で半年が経過しました。依然として香港ではデモ隊と警察による衝突が続き、収束の可能性を見いだせていないのが現状です。

今回、年末の時間を利用して12月29日から1月2日まで香港の様子を見てきました。日本のすぐ近くで起きている問題について、正確に知ってもらいたいことから記事を書きます。

デモ運動のそもそもの原因とは?

意外と日本人で香港の状況を知る人があまりいません。香港でデモ隊による抗議がなぜ行われ、なぜデモ隊と警察による衝突が毎日のように発しているかを知っている人が少ないです

理由は、メディアが香港の情報に関して、十分な情報を流していないためと考えられます。まずは、デモ運動が始まった経緯について、簡単に記述します。

デモ運動のそもそもの原因とは?

 

 2014年の雨傘運動
香港では、頻繁にデモ運動が行われています。2014年には、記憶に新しい雨傘運動というデモが行われました。雨傘運動の目的は、「香港行政長官を決める選挙について中国政府が自由な立候補を阻む制度」を決定したため、それに対する抗議です。

これにより、中国政府の意向が強い選挙制度となり、香港市民に政治不安を与えました。雨傘運動でも民主派の学生と警察の対立が起き、警察は催眠スプレーを使用しています。

雨傘運動の名前の由来は、デモ隊が傘を開いて催眠スプレーを防御したことから、「雨傘運動」と呼ばれるようになりました。

 

2019年のデモ運動は台湾での殺人事件が発端

逃亡犯条例改正案に対するデモ運動は、香港人のカップルが台湾を旅行中に男が女を殺害してしまったのが背景にあります。台湾を旅行中に女の浮気が発覚し、女から別れ話をされたところ、男が女を殺害し遺体を捨てて香港に帰りました

本来であれば、犯人である香港人の男は、台湾で殺人に関する罪に問われるべきです。しかし、台湾と香港の間には、相互で容疑者の身柄引き渡しを行う制度がありません(カルロス・ゴーンについても、日本とレバノン間で容疑者身柄引き渡しの条約がないため揉めている)。

上記の理由から、殺人犯である香港人の男は、台湾で罪に問うことができません

 

 別件で男を逮捕
香港側では台湾で起きた事件に対して、この男を殺人罪として起訴できません。そこで、香港警察はほかの罪で、男を逮捕することにしました。それが、マネーロンダリングの罪です

殺人犯である香港人の男が香港に戻ったあと、男は女のクレジットカードを利用して、香港のATMでお金を引き出していました。これにより、マネーロンダリングの罪が適用され、男は逮捕されます

 

 香港政府がは条例改定を目指す
マネーロンダリングの罪で逮捕をすることができましたが、殺人罪として立件することができません。香港で犯罪が起きていないことや、証拠自体を示すことができないからです。

そこで香港政府は、逃亡犯条例の改定に乗り出します。この改定の中身は、「中華人民共和国とその他の部分」と香港の間で、容疑者の引き渡しを可能とすることです

 

 香港人が条例改定を危惧
一方で、香港市民は、逃亡犯条例に懸念を示しました。というのは、中国本土に身柄が引き渡されると、中国側で強制的な拘束や不公平な裁判により無実の罪が着せられる可能性があるためです

また、この改正案は現在の一国二制度が揺らぐ原因ともなりうるため、香港市民は政府に要求をしました。しかし、香港政府は拒否をしたため、民衆によるデモ活動が始まったのが経緯です。

 

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3月にデモが行われていた

日本の情報では、2019年の100万人デモが逃亡犯条例撤回に対して、最初に行われたデモとされています。しかし、2019年3月の時点で、すでにデモ活動は行われていました

 

 2019年3月にデモが発生
香港政府が逃亡犯条例改正案を提出したのは2019年2月のことです。日本では6月の100万人デモが大きく報道されていましたが、3月には既にデモ活動が行われていました。

2019年3月31日に、民間人権陣線という政治団体主催のデモ活動が行われ、主催者発表で12,000人、警察発表で5,200人の市民がデモに参加をしました。

さらに、2019年4月28日にも、同じく民間人権陣線が主催した抗議デモが行われ、主催者発表130,000人、警察発表22,800人の市民が参加しています

 

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2019年6月の大規模デモが発生

そして、2019年6月に日本人が良く知る大規模デモが行われました。主催者発表で1,030,000人、警察発表で240,000人の市民が参加しています。この時のデモは見に行ってませんが、写真を見る限りでは100万人が参加していたと思います。

 

 依然続くデモ活動
2019年の大規模デモ後も、小規模、大規模問わず、デモが行われるようになりました。2019年6月からの6か月間には、平和的なデモ行進だけでなく、香港北部で発生した暴力行為「元朗事件」も発生しています。

デモ隊と警察との衝突は過激さを増しており、12月29日現在でも未だに収まる気配がありません。多くの市民がデモ行進に参加したあとに、一部のデモ隊が警察と衝突するといった流れが確立されてしまっています。

2019年12月末から1月年明けの香港の様子について、全4回についてご紹介します。

次回の第二回は、デモ隊と警察の衝突により、破壊されてしまった香港の街を写真付きでまとめました。

「香港デモ」香港で過ごした年末年末(2019年12月29日~1月1日)② 【破壊された街】

「香港デモ」香港で過ごした年末年末(2019年12月29日~1月1日)③【平和デモと衝突】

「香港デモ」香港で過ごした年末年末(2019年12月29日~1月1日)④【元旦デモと衝突】

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